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マジでヤバイぞ!睡眠時無呼吸症候群だから肥満?肥満だから無呼吸症候群?

無呼吸症候群をご存知でしょうか? 

英語表記はГSleep ApneaSyndrome」と言い、眠っている間に呼吸が止まる病気です。

Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」とも言われます。
医学的には、10秒以上の気流停止(簡単に言うと息が止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。

寝ている間の無呼吸の症状なので、自分では、なかなか気付くことができません。そのため、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計されています。

 本来、睡眠は日中活動した脳と身体を十分に休息させるためのものです。

その最中に呼吸停止が繰り返されることで、身体の中の酸素が減っていきます。すると、その酸素不足を補おうと、身体は心拍数を上げます。寝ている本人は気付いていなくても、寝ている間中脳や身体には大きな負担がかかっていて、脳も身体も断続的に覚醒した状態になるので、これでは休息どころではありません。
その結果、強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、日中の様々な活動に影響が生じてきます。

いびきだけじゃない!こんな症状はありませんか?
睡眠時無呼吸症候群SAS)の代表的な症状をご紹介します。
自覚症状の感じ方や程度には個人差がありますから、可能であれば寝ている間のことについてぜひご家族やパートナーにきいてみてください。
「ちょっと疲れているだけ」、「いつものこと」で終わらせず、日常生活を振り返ってみましょう。

寝ている間
☆いびきをかく
☆いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかきはじめる
☆呼吸が止まる
☆呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
☆むせる
☆何度も目が覚める(お手洗いに起きる)
☆寝汗をかく

 

起きたとき

☆口が渇いている
☆起きたとき頭が痛い、ズキズキする
☆熟睡感がない
☆すっきり起きられない
☆身体が重いと感じる
☆強い眠気がある
☆だるさ、倦怠感がある
☆集中力が続かない
☆いつも疲労感

性別、年代、生活習慣など、睡眠時無呼吸症候群を患っている人の傾向を、紹介します。

☆タバコがやめられない
☆お酒が好きで、寝る前のお酒が習慣化
☆太り気味。暴飲暴食してしまうことがある
☆高血圧、糖尿病、高脂血症などの既往がある

 

痩せているからといって安心は禁物です!

睡眠時無呼吸症候群SAS)は、太った男性がかかる病気というイメージがあるかも知れませんが、太っていなくても、痩せていても、女性でもかかる病気です。
それは、顔や首まわりの形体的特徴がその発症と強く関連するためです。
SASになりやすい形体的特徴をご紹介しましょう。

☆首が短い
☆首が太い、まわりに脂肪がついている
☆下あごが小さい、小顔
☆下あごが後方に引っ込んでいる
☆歯並びが悪い
☆舌や舌の付け根が大きい

 

やはり、男性に多い傾向の病気のようです。

男女比は👨3人:👩1人

30~60代のちょうど働き盛りにあたる年代は要注意です!

生活習慣病を発症したり、体型が変化したりする年代でもあります。年齢と共に喉や首まわりの筋力が衰えることもリスクを高める一因。
20歳の頃のご自分を思い浮かべて下さい。その頃と比べて10kg以上太ったというような場合は、首・喉まわりの脂肪が増えて気道を狭くしやすくしている可能性があります。男性に多い理由の1つには、男性特有の脂肪のつき方・体型が関係していると考えられています。女性と比べて男性の肥満は上半身に脂肪がつきやすいのが特徴で、BMIから見る健康な男女の比較によると、男性では頸部への脂肪の分布割合がより高い傾向がみられます。このような男性特有の体型がSASにも影響していると考えられます。ただし、女性も年代によっては発症率が上昇します。

 

眠中に呼吸が止まる二大要因

睡眠中に呼吸が止まってしまう原因は大きく分けて2つあります。
1つ目は、空気の通り道である上気道が物理的に狭くなり、呼吸が止まってしまう閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)。
2つ目は、呼吸中枢の異常による中枢性睡眠時無呼吸タイプ(CSA)です。

 

閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)

喉や気道が塞がってしまうタイプ
上気道に空気が通る十分なスペースがなくなり呼吸が止まってしまうタイプです。
SAS患者さんのほとんど、9割程度がこの閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)に該当します。
上気道のスペースが狭くなる要因としては、首・喉まわりの脂肪沈着や扁桃肥大のほか、舌根(舌の付け根)、口蓋垂(のどちんこ)、軟口蓋(口腔上壁後方の軟らかい部分)などによる喉・上気道の狭窄が挙げられます。

これには、骨格とその中におさまる解剖学的な組織の量が関係します。
元々大きい骨格であれば多少太ったとしても、つまり組織の量が増えても、上気道を狭める可能性はそう高くはありません。しかし、例えば元々小さい骨格の場合はどうなるでしょう?
上気道のスペースが圧迫されて狭くなり、元から上気道のスペースが少ない場合にはさらに閉塞しやすい状況になるわけです。

横向きになるといびきが止まる!?
「仰向けに寝るといびきをかくのに、横向きになるといびきをかかない」のは、仰向けで寝た時に気道が狭くなっている証拠。特に仰向けの場合は舌の付け根(舌根)などが上気道に落ち込みやすくなります。睡眠中は筋肉が弛緩するので、ただでさえ無呼吸が起こりやすい状態になるのです。
上気道に十分なスペースがあるときには問題ないのですが、上気道が閉塞してくると狭い隙間を空気が通ろうとするので、音、つまり「いびき」が生じます。そして上気道が完全に塞がれてしまうと空気が通る隙間がなくなり、「無呼吸」になるわけです。

電車の中や会議中などで椅子に座った状態でもいびきをかいてしまうとしたら、要注意です。
中枢性睡眠時無呼吸タイプ(CSA)
脳から呼吸指令が出なくなるタイプ
脳から呼吸指令が出なくなる呼吸中枢の異常です。睡眠時無呼吸症候群の中でもこのタイプは数%程度です。
肺や胸郭、呼吸筋、末梢神経には異常がないのに、呼吸指令が出ないことにより無呼吸が生じます。OSAと違い、気道は開存したままです。OSAの場合は気道が狭くなって呼吸がしにくくなるため一生懸命呼吸しようと努力しますが、CSAの場合は呼吸しようという努力がみられません。
CSAに陥るメカニズムは様々ですが、心臓の機能が低下した方の場合には30-40%の割合で中枢型の無呼吸がみられるとされています。

 閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)は男性に多いことが報告されていますが、更年期以降には女性の罹患率も高まります。また、OSAの特徴的な症状である「いびき」も、加齢と共にその頻度が高くなります。その理由の1つは女性ホルモンの働きにあると考えられています。女性ホルモンの1つであるプロゲステロンには、上気道開大筋の筋活動を高める作用があります。閉経によるホルモンバランスの変化がOSA発症に関与していると考えられています。 閉経後では閉経前と比べて発症率がおよそ3倍にもなるというデータも報告されています。